働く人のうつと不安・適応障害

働く人のうつと不安

就労は業務ストレス、対人関係の摩擦、過重労働による疲労から、うつや不安が生じることがあります。残業を100時間もすれば、うつになるのが普通ですし、ギスギスした職場では楽しめないのが普通です。初めてチャレンジすることは不安ですし、時には不安をコントロールできなくなることもあるでしょう。

直近、大事故に発展したケースでは、1件では過重労働に加え上司との不適切な関係が指摘され、もう1件では遺書があり、いじめがあったとして提訴されています。

一方、会社、上司共にクリーンであり、働くことを楽しめる職場環境が大多数で、通常、就労は適度なストレスとなり、就労者の方がうつ病になりにくいことがわかっています。

 

上記を踏まえ、当院では初診時に就労者がうつや不安に至った経緯をよく聞き、それぞれに応じ、復職に向けたサポートをしっかりと行います。
全て忘れてしっかり休まねばならない時期・体を動かし始める時期・頭を動かし始める時期・出勤練習・リハビリ勤務・復職と段階的に助言・指導を無理なく行います。

 

適応障害

かつて、体を検査しても原因がはっきりしない症状は、天気や季節やストレスの性にされ、自律神経失調症というふんわりした症候群とされていました。
明治から昭和にかけてはノイローゼという社会病名が流行しました。当時は、病名があるというだけでも、救いとなったことでしょう。

今は、環境変化によってストレス因があり、そのために気分や行動に変化が現れ、かつ、他の診断基準を満たさないものが適応障害と診断されます。
うつ病、不安症、躁うつ病、発達障害とまではいかないが、明らかに以前と本人の様子が異なるような時です。
変化したものから強いストレスを感じれば、誰でも適応障害となる恐れがあります。
つらい状況から、一歩引いて眺めてみたり、自分自身がゆっくり変わっていく事も治療の1つです。

具体的には憂うつな気分や不安感、イライラが強くなり、涙もろくなったり、過剰に心配したり、怒りっぽくなったりします。
時には、無断欠席や無謀な運転、喧嘩、物に当たるなどの行動の症状として現れます。
ストレスとなる状況や出来事があるので、その原因から離れると、症状は次第に改善します。
しかし、ストレス因から離れられない、取り除けない状況では、症状が長く続きます。2004年には皇太子妃(当時)雅子さまが適応障害と発表された事がありました。

→厚労省による説明